【レビュー】KZ ZS10、良い。ZS6/ZS5を買う理由がなくなったような

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中華イヤホン「KZ ZS10」を購入したので、レビューしていきたいと思います。KZブランドはKZ ZS5を利用してからKZ ZS6を買い、今回の最新モデルKZ ZS10も購入したので、この2機種とは少し比較してみます。

KZ ZS10は4BA+1DDの片側5ドライバー構成で、ハイブリッド型ならではの低域の量感がありつつ、派手なZS6よりもバランスがよく、落ち着いたZS5よりも解像感が高めに進化した中華イヤホンであると感じました。筐体が大きくなった部分や付属ケーブルがよくなったところなど他にも変更点が多くあるので、比較しながらチェックしてみたいと思います。

KZ ZS10 中華イヤホン・レビュー

今回レビューするのは、中華イヤホンの新モデル「KZ ZS10」。KZブランドから発売された新モデルで、ZSシリーズの最新イヤホンなのでZS6やZS5の後継モデルという位置付けかと思うのですが、随分と筐体デザインも変更されています。

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KZ ZS6、ZS5というとデザイン的にはCampfire AudioのANDROMEDAをリスペクトした筐体が特徴でしたが、今回はあまりみないデザインのシェル形状と外観です。ZS6では金属筐体を採用したのも記憶に新しいですが、今回はプラスチックぽい触り心地。

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ドライバー構成でいうと、

  • KZ ZS5/2BA+2DD
  • KZ ZS6/2BA+2DD
  • KZ ZS10/4BA+1DD

と変更されているそうで、ドライバー数だけで見ると片側5ドライバーで多くなっていて、そのせいかKZ ZS10の本体サイズはZS6、ZS5のそれらよりも明らかに大きくなっています(単純にドライバー数が理由というわけでもなさそうですが)。装着感は若干大きさを感じるものの、そこそこ快適です。

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ドライバー構成ですが、KZ 50060とKZ 30095のバランスド・アーマチュア型ドライバーをそれぞれデュアルで搭載し、低域用にダイナミック型ドライバーが積んであるらしいです。

…KZ ZS5 → ZS6ではベントを設けたり金属筐体を採用したりでアコースティックな部分の変更もあってか音がそこそこ違う印象でしたが、今回のKZ ZS10に関してはまず筐体デザインが大きく異なります。そもそもドライバー構成も大きく異なるみたいなので、単純にZS5/ZS6の後継機というわけではありません。ハイブリッドですしZSシリーズの系譜であることには間違いないのですが、ZS5とZS6は兄弟機であっても、KZ ZS10はまた別物であると考えておくと良いかもしれません。

イヤーピースはKZ ZS5、ZS6と似たようなものが同梱しており、KZ ZS10の本体コスパと比較すると、イヤーピースももう少し質の良いものが付属していると良いな、と感じる部分もありつつ。しかしながら、そもそもZS10は以前のモデル同様価格がかなり安いので、あまりデメリットにはならない気はします。

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気になるところといえば、ステムというか音導管部分のサイズ・口径でしょうか。試しにFInal Eタイプのイヤーピースを装着してみたところ、その太さのせいか、もしくはストッパーが無いのが原因か、滑り落ちてくるのが確認できました。大きさ自体はZS6、ZS5とそこまで変わりない(むしろ細い?)のですが、イヤーピース選びは考えておくと良いかもです。今回は付属イヤピースのLサイズがおもいのほかぴったり耳にはまったので、そのまま利用しています。

(↑なぜか滑る)

端子は2ピン。リケーブルが可能です。

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KZ ZS10は付属ケーブルが良いです。ZS6/ZS5の標準付属ケーブルは取り回しも耳掛けの部分も今思うと微妙でしたが(それでも価格を考えると文句はとても言えない程度でしたが)、今回のZS10付属ケーブルは柔らかいので取り回しがよく、耳掛け部分の調整・固定もし易くなっています。

筐体が大きくなっているにも関わらず耳掛けをしっかりしておけばほとんどずれなかったので、本体サイズが大きくなっての装着感の違いは、シュア掛け固定によってわりと解消されます。ケーブル自体の色はSIMGOT EN700 Bassに付属していたもののカラーに似ていますね。ZS10は純正ケーブルが良さげなので、今回はリケーブルなしで利用しています。

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パッケージ記載のスペックも一応確認しておくと、重量が24±5g、付属ケーブルが3.5mmプラグで0.75mm2ピン、再生周波数帯が7Hz-40KHzで、インピーダンスが32Ω、感度が104dB/mWとなっています。

デザインや装着感で気になるところといえばイヤーピースによっては滑り落ちてくるのと、筐体の巨大化くらいでしょうか。このあたりはKZ ZS10付属ケーブルが使いやすいものに変更されており、むしろ慣れると以前の6や5よりも快適に感じたのでそこまで問題ではなさそうです。音漏れの程度や遮音性に関しても、いたって普通のユニバーサルIEMといったところ。

(Bluetooth対応のワイヤレスケーブル付属モデルも発売されているみたいですが、ワイヤレスケーブルであまり良い経験が無いので今回はスルー。コントロールなしの通常ケーブル付属モデルを購入しています)

本体カラーはレッドを購入したのですが、他にブラックとブルーもあります。今回はレッドメインのカラーを購入して正解だったかなと思います。完全にクリアシェルカラーがあったらカッコよさそうだなとも思いました。

イヤーピースについて

追記です。付属の黒シリコンイヤーピースを利用していましたが、結構装着感に疲れることに気付きました。

やっぱり付属イヤピでは厳しいかと思い、SpinFitに換装したところ、疲れがなくなりビシッと個人的な耳にフィットするようになりました。参考までに。(Final Eタイプは滑って装着できませんでした)

KZ ZS10の音質について、ZS5、ZS6との比較など

今回はMojoで鳴らしてみました。試聴はBig Thief – Paul、School Food PunishmentでYou May CrawlとLoop,ShareとSlide Showとgoodblue、Daft Punk – Fragments of TimeとDoin’ It Right、Diplo(Feat.MØ)でGet it Right、The Pretty RecklessでTake Me Down、ROTTENGRAFFTYで金色グラフティーなど。

今までKZ ZST、ZS5、ZS6と聴いてきましたが、個人的な意見でいうとKZ ZS10が圧倒的に良いです。4BA+1DDのハイブリッド・マルチドライバー構成ですが、バランスが良く聴きやすい。

まずはKZ ZS6との比較ですが、個人的にKZ ZS6はZS5と比較すると解像度に全振りな感があり、金属筐体もあってかキンキンと荒く高域もグッサリと刺してくる印象でした。今回KZ ZS10と比較しながら改めて聴いてみましたが、ZS10の方はバランス感が上手く取れており、粗さを感じさせないのが良いです。

中高域の部分はおそらくBAの構成からくると思うのですが、KZ ZS10はBAらしい解像感を保ちつつ、KZ ZS6ほど荒く破綻していないというか、むしろかなり落ち着いて聴ける印象です。高域の刺さり具合や派手さではZS6に面白さがあるものの、結局KZ ZS6もハイブリッド型で低域がそこそこ出るのでその量感が邪魔になる曲も歌モノ中心にある気がしますし、色々考えると、KZ ZS10の方が全体のバランス感で一段上に感じます。

次にKZ ZS5との比較ですが、KZ ZS10は解像度の面、特に中域の部分で聴きやすく、粒も細かくなっているような気がします。KZ ZS6とZS5の比較ではZS5の方がバランスが良いと感じていましたが、KZ ZS10と比較するとZS5も派手めに感じてしまい、高域と低域からくるドンシャリ感をZS5でもZS6でも強く感じるので、ここの違いなのかなとも思います。

両者の比較で共通するところといえば、KZ ZS10は低域量がひかえめに感じる部分、また高域に派手さはないものの粒が細かく解像感とバランスが上なので、全体で聴きやすくなっている、という部分でしょうか。低域の部分に関しては以前の5と6がDD2基ずつ搭載だったはずなのでその部分も影響しているのかもしれませんが、ZS6の粗さがなくなり、ZS5の解像感がくっきり増した進化版と言いますか。

簡単にいうと、弱ドンシャリを緩めてバランスを向上させ、それでいて解像度を増した感覚です。ZS5/ZS6を聴いた時にはとんでもないコスパだなと驚いた記憶がありますが、KZ ZS10を聴いてみると、もうZS5/ZS6を使う理由がなくなると言いますか、それくらい差があるように感じました。

とは言ってもKZ ZS10はハイブリッド型らしくある程度の低域量と押し出しがあるので、楽しく聴けるのも良いところかと思います。逆にマルチBAのみの高域キラキラ感が際立つイヤホンという感じではないので、リスニング向けに低域もそれなりに出て欲しい人に向いているような気がします。

KZ ZS10をしばらく聴いてみた印象だとやはりZS5、ZS6の系譜という感じはするのですが、個人的にはZS6やZS5で弱点だったところを解消しつつ単純に解像度も増している気がしていて、

ZS10>>>大きな差>>ZS5>個人的な好み>ZS6

みたいな印象を持っています。ZS5とZS6に関しては好みの問題かな(個人的にはZS5の方が聴きやすくて好きなのですが)と感じていましたが、ZS10があれば明らかにこちらを買うと思います。

価格もアマゾンで7,000円以下、海外通販サイトから直接買うと40ドル前後という驚異的な安さなので、なんでこんなにKZって安いんだろう、と毎回疑問に思ってしまいます。IEMでいうとバランスド・アーマチュア型ドライバーは競争が少なく価格が高いもんでハイエンドモデルはどうしても価格が釣り上がるとか嘘か本当かわからない話を以前聞いたことがありますが、ZS10はKZドライバー搭載を謳っているので、大量生産と自社ブランド(?)のドライバーで安くできているのかな…なんて勝手な想像をしてみたり。

一つ付け加えておくと、同じモデルのイヤホンを何個も購入して試しているわけではないので、ロットによる違いだとか、そういったところまでは分かりません。中華イヤホンはここの振り幅が大きいとネットやSNS上で話題になることが多いように思いますが、手元のKZ ZS10に関しては価格に対しての音質で考えると文句なしに良いです。今からZS5、ZS6、ZS10の購入を検討している方は、とりあえずZS10を選んでおけば間違いないような気がします。

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