独自のゲームコンソール型端末を発売しているGPDですが、その中でも人気の端末がWindows 10にIntel Atom Z8700プロセッサーを搭載した「GPD WIN」です。5.5インチの小型ディスプレイを搭載した本機は、Windowsのゲームやストリーミング・エミュレーターなどでプレイするのに人気のゲームパッドで、コントローラーだけでなくキーボードも搭載しており同メーカーの中では価格も300ドル以上とスペックもプライスも少しプレミアムなモデル。
気になるのはどんなことができるのか?どの程度までゲームが遊べるのか?という部分なので、実機レビューやスペックを確認してみました。
GPD WIN、Windows 10搭載のゲームパッド
GPD WINは、フルバージョンのWindows 10が動作するコントローラーとキーボード付きの端末。Windowsが動作する小型のゲームコンソールとして2015年10月に発表され、クラウドファウンディングの「Indiegogo」やその他クラウドファウンディングで資金を集めました。その後2016年10月に発売され、一部ユーザーから人気を得ている比較的新しい端末です。
5.5インチの1280*720ドットHDディスプレイに、内部にはIntel Atom “Cherry Trail” Z8700を採用しています。この手の小型端末ではハイスペックな仕様になっており、Windows OSで動作するゲームやエミュレーター、またWi-Fiも802.11 acに対応しているので、ストリーミングプレイもそこそこ快適にできるとしています。詳細スペックは以下の通り。
GPD WINのスペック
GPD WinはフルVerのWIndows 10ホームを搭載しているので、基本的にできることはPCと同じです。ゲーム用に開発されているということで、やはり注目すべきは物理コントローラー/物理キーボードが採用されていることでしょう。
MODEL | GPD win 5.5 |
---|---|
ブランド | GPD (GamePad Digital) |
OS | Windows 10 Home |
プロセッサー | Intel Atom Z8700 or Intel Atom X8750 |
ディスプレイ | 5.5インチ(16:9) In-Cell, IPS 1280*720ドット(HD) Capacitive (5-Point) |
RAM | 4GB RAM |
ROM | 64GB ROM |
外部メモリ | microSDカードスロット(最大128GB) |
オーディオ | Realtek ALC5645 ビルドインステレオスピーカー 3.5mmオーディオジャック |
Wi-Fi | 802.11 a/ac/b/g/n |
Bluetooth | 4.1 |
I/P | 1×USB Type-C 3.0 1×USB Type-A 3.0 |
ビデオインターフェース | HDMI C Type |
ジョイスティック | アルプス電気製 |
ボタン | A/B/X/Y, △/○/×/□ L1/L2/L3/R1/R2/R3 オムロン-マイクロスイッチ スタート/セレクト/パワーボタン ボリュームボタン Game D-pad |
キーボード | 物理キーボード QWERTY |
バッテリー | 6700mAh リチウムポリマー |
重量 | 約365g |
本体サイズ | 155*96*23.5mm |
外観素材 | ABS+プラスチック |
本体カラー | ブラック |
センサー | 重力センサー/ホールセンサー |
参照 | http://www.gpd.hk/gpdwin.asp |
フルバージョンのWin10を搭載したPCとしては、かなり小型の設計になっています。ここに5.5インチのディスプレイやファン、ボタンやキーボードが内蔵されていることを考えると、かなり小さいです。
手のりサイズで厚みも2.35cm。持ち運び可能なゲームコンソールとして考えれば十分な大きさで、ポケットにも入ります。重量も公称値で365gなので、そこそこ軽量です。
ディスプレイサイズは5.5インチで、解像度はHD。ゲームをするにはそこまで大きなスクリーンではありませんが、手のりサイズのゲーム機と考えればこれくらいコンパクトな方が良いかもしれません。基本的にスマートフォンであればオンスクリーンの操作ですが、GPD Winに関しては物理コントローラーがついているのでディスプレイサイズはそこまで気にならないかもしれません。むしろこの製品は小さいことがポイントですからね。
クラシックの十字キーに加えて、2つの3Dの物理スティックも搭載。3Dスティックはアルプス電気製、またL1/L2/R1/R2ボタンはオムロンのマイクロスイッチを採用していることでクウォリティをアピールしています。
表面ボタン部分はダブルプリントでABXYと△/○/×/□の表記が両方あり。この辺りも初めて利用する方はわかりやすいポイントかもしれません。
キーボードも物理型になっており、QWERTY KEYを採用。このキーボードは基本的に押し込まないと入力できないような物理ボタンになっているので、ゲームプレイ中にキーボードによって誤作動がないのも良いですね。おそらくこの辺りもしっかり考えて設計されているのでしょう。また5.5インチのディスプレイではさすがにオンスクリーンのキーボード入力というのが難しいという事情もありますね。
ポートもUSB Type-C、USB Type-A、HDMI C Type、3.5mmイヤホンジャック、またmicroSDカードスロットにも対応しており、GPD Winのサイズ感を考えると接続関連もゲーム用にフル装備といったところでしょうか。
HDMI C Typeポートを利用すればディスプレイ、プロジェクター、TVなどに出力できますし、通常のUSBポートを利用すればマウスやキーボード、USBメモリーディスクといったものにも接続可能です。必要であればBluetoothにも対応しているので、ワイヤレスで接続してもOK。サイズに対してたくさん接続ポートを搭載しているのも、この機種の魅力。
バッテリーは6700mAhとかなり多めです。底面には冷却用の物理ファン・スイッチも搭載しており、ゲームプレイのみならずWindows 10搭載の超小型PCが手軽に持ち運べるという点も注目しておくべきでしょう。
GPD Win GamePadでできること
ではWindows 10で動作するGPD Winではどんなメリットがあるのでしょうか。
- コンパクト
- 電池持ちは微妙?
- 物理キーボード
- 接続ポートが多い
まずは本体サイズのコンパクトさは誰もが注目すべき点でしょう。また接続ポートが多いので、ディスプレイに出力したり他のキーボードやマウスを繋いだりと、環境次第で普通のWindows 10搭載PCとして利用できます。
真ん中に切り替えスイッチがあるのですが、こちらを切り替えることでジョイスティックをマウス代わりに利用することも可能です。このあたりの簡単なカスタマイズ製もあるので、がっつり通常PCとして使わない限りはマウスも必要ないかもしれません。
まずは消費電力の少ないAtom X7-Z8700プロセッサー+6700mAhを搭載しているのですが、電池持ちに関しては3~4時間程度のようです。より処理を必要とするゲームをプレイする方であれば、もう少し短くなるかもしれません。
小型PCですが、面白い点としては背面にファンを調節するスイッチがついています。これで少し重いゲームをプレイする場面でも活躍してくれそうです。ハイスピードモードに切り替えるとファンの音はやはり聞こえるようですが、このサイズでファン搭載というのも面白いですね。プロセッサーは発熱に応じてパワーを自動調節するとのことで、遅いと感じた時にはファンをハイパワーにしておくと良いかもしれません。
重要なのはゲームプレイがどれだけ快適にできるかということですが、シャベルナイト/60fpsは普通に快適に動いているようです。2Dゲームに関してはX7-Z8700搭載なのでほとんど問題ないようですね。Windows 10ということで、AndroidのGoogle Playなどで提供されていないゲームがプレイできる利点もあります。
グランドセプトオートVは15fpsでプレイしても結構カクカクになるようです。プレイできないほどではないようですが、少し重めの3Dゲームだと快適にプレイするのは厳しいゲームもあるようです。
マインクラフトは快適なようです。フルPC版が快適にプレイできるのは良いですね。
エミュレーターもプレイしてみたようですが、たまに止まる部分もありますがこのサイズの端末としては十分遊べるレベルみたいですね。
win10 PCなのでSteamでホームストリーミングプレイも試してみたようです。GPD WINは802.11 acのWi-Fiに対応しているので十分プレイできているのが確認できました。コントローラーもしっかり動いているようですね。
XBOXストリーミング。十分プレイできているようです。本体をイーサネット接続してワイヤレスで飛ばせばそこそこ快適にプレイできるみたいですね。3Dスティックはもう少し深く操作できると良いとしていますが、プレイに困るほど支障はないようです。
・・・他のレビューも見ていると、ネットワーク面でのストリーミング、いくつかの3Dゲームは快適に動いているのが確認できました。GPDではAndroid OSを搭載したGPD XDやGPD Q9も発売していますが、Widows 10でゲームプレイができること、3Dゲームもそこそこしっかり動くということを考えると、価格は少しプラスになりますがWin10搭載のGPD Winを購入する価値はありそうです。特に、このサイズ感が気にいるなら。
GPD Winまとめ
約350ドル前後という価格は考慮する必要がありますが、Windows 10が動作すること、Atomの上位プロセッサーであるZ8700を搭載していることなどを考えると、小型のコントローラー内蔵ゲーミングパッドとして一部ユーザーから人気を集めているのも納得。気になる方は購入サイトから価格を比較してみましょう。