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【レビュー】KZ ZSX、合計12ドライバー搭載のハイブリッド型イヤホン

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KZブランドの有線イヤホン「KZ ZSX」をしばらく利用したので実機をレビュー。5BA+1DDのドライバーを片側ずつに搭載したイヤホンで、タイプとしてはハイブリッド型の新モデルです。5,000円程度で販売されており、ドライバーの数を考えるとKZらしく価格も抑えている製品。

以前のKZイヤホンと比較すると改善したところも多いなと感じつつ、”Terminator”の名称にもあるように低域量に特徴のあるイヤホン。今回は気に入ったところや気になったところをレビューしていきます。(提供:HiFiGo

KZ ZSX イヤホン レビュー

KZ ZSXは、中国オーディオブランドのKZから登場した新モデル。有線タイプで、片側に5BA+1DDずつ、左右合計12のドライバーを搭載したイヤホンです。有線タイプですが、2ピンでリケーブルもできるので、別途用意すればBluetooth化も可能。

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バランスド・アーマチュア・ドライバーとダイナミック・ドライバーを組み合わせたハイブリッド型の多ドライヤホンなのですが、内訳が以下の通り。

  • DWEK 中域用BAドライバー×2
  • DWEK 高域用BAドライバー×2
  • 30095高域用BAドライバー×1
  • 10mm 新型のダイナミック型ドライバー×1

シェルについても新設計が採用され、従来よりも耳にフィットしやすい形状のデザインとしています。似たカラーのハイブリッドイヤホンKZ ZSNともまた違う形状に。具体的には上部の形状が異なっていますが、ドライバー数も違うので比較は難しいところ。筆者としてはKZ ZSXも快適に装着可能なイヤホンに感じます。

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音導管の部分には、新世代のKZイヤホンと同じくイヤーピース用の滑り止めが付いていたりします。旧世代のKZイヤホン、例えばkZ ZS5、ZS6、ZS10などは滑り止めがなかったので、イヤーピースによっては結構外れたり、耳から抜けてきたりしました。ここでも随分音の印象は変わってくるので、こういった改良点は新設計で嬉しかったりします。イヤホン自体の遮音性はカナル型イヤホンとしては普通で、よほど大音量で聞かない限りは音漏れも気になりませんでした。

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接続用の2 pinプラグも新世代の設計となっており、KZ ZSNでも採用されたような突起にはめるようなデザインです。まだKZのイヤホンが壊れた経験がないので耐久性はなんともいえませんが、KZブランドからアップグレートと称したケーブルも販売されていますし、Bluetooth対応の2 pinタイプケーブルもありますし、リケーブルの選択肢も豊富です。

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KZ ZSXの音質について

実は、はじめ届いたときはBAのみのマルチドライバーイヤホンかと思っていたので「こんなに低域に迫力がでるのか」と感じたのですが、中を見るとDDドライバーが明らかに入っているようですし、よくよく確認したらやはりハイブリッド型だったという経緯が。レビュー時初期はなるべく情報を入れずに聞いているのですが、やはり低域に特徴のあるイヤホンかと思います。

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全体的な傾向は低域が一番前に出ている弱ドンシャリといった感じですが、低域は解像度を保ちつつなのでロックを聴いていて嫌味がないです。高域も突き抜けるようなところにピークがあるわけではないですが、解像度は十分で、改めてこれで5,000円前後はすごいなと感じました。

低域が若干前のめりなせいか、ボーカルが少し引っ込み気味に聴こえるのは気になりました。先述のようにより高いところに高域のピークがあるわけでもないので、ボーカルメインで聴きたい人は別のイヤホンを探しても良いかと。例えばKZ ZS5なんかのほうが(全体のバランスのせいか)高域の高いところにピークを感じたりするので。まあZS5の場合は高域がそこそこにシャリついているので、つまるところどのモデルも良いところがあり、気になるところもあり、一長一短ではあります。

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(AZLA SednaEarfitへイヤーピースを換装)

KZ ZSXの印象としては、高域の伸びを楽しむというよりは、低音に下支えされた空間の中で解像度を楽しむといったところでしょうか。KZのハイブリッド型イヤホンとしては個人的にお気に入りでです。使い分けするならKZ ZSXとZS5かなといった印象を持っており、どちらもハイブリッド型でありながら音の傾向としては真逆な気がするので。KZ ZS10もありですが、振り幅の大きな違いを楽しむという点ではZSとZSXの組み合わせが面白いかと。

音場に関しては破綻しているというレビューも見かけましたが、個人的な印象としては、低域が少し前のめりになっているというだけで、聴いた上でのバランス感は悪くないように感じました。単純にどこの音域が協調されて聴こえるかだけの話で、個人的な印象としては、新世代になるにつれてKZのイヤホンのバランス感というのは洗練されているんだと思います。

ジャンルとしては、確実におすすめしそうなのはロックでしょうか。元々個人的ロック系の曲が好きということもありますが、PARAMOREのアルバム”Brand New Eyes”はこれくらい重厚感があると良いなと思います。中高域の解像度は失われていない部分も、ロックにおすすめできる部分かと。先述ですが高域の高いところにピークがあるわけではないので、曲は選びそうです。

Paramore: Brick By Boring Brick [OFFICIAL VIDEO]

どちらかと言えば硬質でクールな傾向で、明るい感覚はありません。もっと高域にフォーカスが行くKZ ZS5などと比較すると、長時間聴いていて疲れにくかったのは良いと思います。

最近Apex Legends Season 3がスタートしたのですが、プロモーションに仕様されたNF “The Search”などのラップ曲も良かったです。なんというか、他のイヤホンでは低域に物足りなさを感じていた曲に低域で楽しさを吹き込んでくれるといいますか、つまらなさがないのがKZ ZSXの良さでもありそうです。

NF – The Search

補足ですが、音量自体はかなり取りやすいイヤホンなので、DAP直でもスマホでもPCでもアンプでも、大音量で耳を壊さないように、音量を絞ってから調整することをおすすめします。

KZ ZSXは、KZイヤホンの低域に物足りなさを感じていた方向け

個人的に使ってきたKZイヤホンの中では、最も低域の出るハイブリッド型イヤホンがKZ ZSX。今までのKZイヤホンの低域に少し物足りなさを感じていた方向けなのかなというのが最終的な印象です。他の帯域も解像度は十分でしたが、高域向けにはもっと派手でハイのシャリが効いているKZ ZS5があったりしますし、結局どんな曲を聴くのか、どんな音傾向のイヤホンが欲しいのか、ということになると思うのですが。

手持ちのKZでチームを組むと、低域用にKZ ZSX、バランス型でKZ ZS10、ドンシャリと高域キラキラ感でKZ ZS5といった感じになりそうなので、低域を求めていた方には5,000円前後の価格も考えてKZ ZSXはおすすめできそうです。

KZ ZSX – HiFiGo