Xiaomi Mi5Cが発表されましたが、内部にはシャオミ初のインハウスSoC「Pinecone “Surge S1”」が搭載されています。以前のリークで言うと、2つあったミドルレンジの方のプロセッサーですが、オクタコアCPU(最大2.2GHz)、Mali-T860 GPU搭載とスペック自体はミドルレンジに搭載されるプロセッサーとしてはそこそこ高性能な仕様に。
実機を使ってみないとわからない部分が多いのは当然ですが、Surge S1のスペックが判明しているのでまとめてみます。AnTuTu Benchmarkスコアなんかも出ているのでチェック。
目次
Pinecone Surge S1のスペック
Surge S1のスペックは以下の通り。
MODEL | Surge S1 |
---|---|
ブランド | Pinecone (Xiaomi) |
プロセス | 28nm HPC |
CPU | オクタコアCPU 4×Cortex A53@2.2GHz 4×Cortex A53@1.4GHz |
GPU | Mali-T860 4コアGPU |
Compression | ASTC(Adaptive Scalable Texture Compression) AFBC(The ARM Frame Buffer Compression) 参照:ARM |
DSP | 32-bit |
カメラ | 14-bit, Dual ISP Surge ISPアルゴリズム デュアルノイズリダクション |
VoLTE | サポート |
バンド | アップグレード可能なベースバンド OTA |
チップセキュリティ | TEEアーキテクチャ |
AnTuTu Benchmark | 6万4817 (Ver 6.0) |
GPU Benchmark | 17 (GFXBbench manhattan off-screen/fps) |
CPU Benchmark | 3399 (Geekbench 4.0 multi-core) |
オクタコアCPU(up to 2.2GHz)、Mali-T860 GPUということで、仕様としてはクアルコムの「Snapdragon 625」や、MediaTekの「helio P20 / Helio P10」当たりが対抗馬になりそうです。
ベンチマーク結果の比較も、これらのSoCと比べているので、ミッドレンジでも少し上のスペック対抗で搭載されるといったところでしょうか。ちなみにベンチマークスコアは画像で出ていただけなので、参考程度にしておいた方が良いかもしれません。
では詳細も確認してみます。
Surge S1のAnTuTu Benchmark
AnTuTu Ver 6.0のベンチマーク結果が公開されています。Surge S1プロセッサーは「6万4817」としており、ミドルレンジのスマートフォンに搭載される予定の機種としてはハイスコア。Qualcomm Snapdragon 625、MediaTek helio P20にも引けを取りません。
GPUのスペック
Mali-T860 4コアGPU。当然ながらこれより下位モデルであるMali-T760などと比較すると、省電力設計になっているとしています。
Surge S1のGPUベンチマーク(GFXBench)
GPUベンチマーク。GFXBench Manhattan、オフスクリーンテストで上記の結果になったそうな。
CPUのスペック
オクタコアCPU 64-bit
4×Cortex A53@2.2GHz
4×Cortex A53@1.4GHz
Surge S1のCPUベンチマーク(Geekbench 4.0マルチコア)
CPUベンチマーク。Geekbench 4.0・マルチコアのテストの結果が3,399。helio P20 (MT6757)の方が勝っていますが、MT6757のクロックスピードのみを見ると2.3GHz*4+1.6GHz*4になっているので、そういうことなのかもしれません。
…とりあえず公表のベンチマークスコアと基本スペックを確認してみました。Xiaomiが出している資料なので当然こんな感じになるかと思いますが、搭載されるXiaomi Mi5Cの価格が約220ドルと考えると、かなり競争力がありそうです。
チップレベルのセキュリティ
アップグレード可能なベースバンド
OTAもOK。
14-bitのデュアルISP ノイズ軽減と光感度アップ
デュアルIPSと独自アルゴリズムでノイズ軽減や高い光感度を実現。こちらはXiaomi Mi5Cのカメラ機能の部分を見るとわかりやすいかもしれません。暗所撮影に強いとしていますが、どうでしょうか。
32-bit DSP
32ビットのDSP採用。HD通話(VoLTE)対応、デュアルマイクのノイズ軽減サポート。
Image Compression Technology
AFBC (The ARM Frame Buffer Compression)とASTC(Adaptive Scalable Texture Compression)。ARM(とAMD?)関連の技術(PC Watchだと独自技術と紹介されていましたが…謎)のようですが、メモリバンド幅の削減や省電力効果があるようです。ASTCに関しては比較的新しいMali GPUが対応しているようですが、詳しい内容はARMの公式サイトで。
Xiaomi×Pineconeの「Surge S1」プロセッサースペックまとめ
Surge S1の公開情報から見るに、ミドルレンジでも上位のQualcomm Snapdragon 625や、MediaTek helio Pシリーズに対抗したプロセッサーと言えそうです。Xiaomi Mi5Cに搭載予定なので、どれだけ快適に動作するのか注目。
ちなみに以前のリークではPinecone S2(Surge S2?/V970)なるハイエンド向けのSoCもリークしていました。上位モデルは10nm、Cortex-A73コア採用、GPUはMali-G71と噂されているので、もし実在するならこちらの方が気になるような…。