SoundPEATSブランドから発売されている「SoundPEATS Truengine」のレビュー。左右独立型のワイヤレス・イヤホンは2018年に入ってかなり多くなりましたが、Truengineもその1つです。
価格がAmazon.co.jpで6,000円以下とTWS(True Wireless Stereo)のBluetoothイヤホンとしては低価格なジャンルに属しますが、片側ずつにダイナミック型ドライバーを2基搭載した低音に特徴のあるイヤホンなので、低域好きな方には面白い製品です(サンプル提供:SoundPEATS)。
SoundPEATS Truengine レビュー
SoundPEATS Truengineは、ケーブルのない左右独立型のBluetoothイヤホンです。最近は家電量販店なんかでもTWSのイヤホン、専用コーナーを見かけるようになりましたが、SoundPEATS TruengineはAmazon.co.jpから購入できます。
記事執筆時の価格が5,580円なので、TWSイヤホンとしては低価格のジャンルに属するかと思います。高価格帯は4万円に近い製品もあるので、初めてTWSを使ってみたい方にも手の出し易い価格の製品と言えます。
他のTWSイヤホンと同様に充電機能のついたケースがあり、イヤホン本体はフル充電で3~4時間の音楽再生、充電ケースが満充電の場合は約4回分イヤホン本体を充電できるので、イヤホン本体と充電ケースが満充電の時は最長14時間の音楽再生OKなスペックに。
イヤホン本体を満充電にするまでの充電時間が仕様上約2時間なので、急速充電対応で再充電後サッとすぐに使えるTWSイヤホンと比較すると少しマイナスポイント。個人的には1時間くらい聞いたら外して耳を少し休ませるような使い方なので問題ありませんが、ぶっ続けでずっと聞きたい人は少し厳しいかもしれません。
Bluetoothバージョンは5.0、チップはAiroha AB1256P(初めて聞きました)、最大通信距離は約10mで、イヤホン本体のサイズは片方5.2g。軽量なので耳につけていての疲れはほとんど感じません。
というのも、TWSイヤホンというと耳にビシッとハウジング筐体がくっつく製品が多いのですが、SoundPEATS Truengineは独特な形状を利用して、どちらかといえばイヤーピースで耳にステイさせるような感覚です。付属イヤーピースのシリコン素材のおかげかズレもほとんどないので、TWSジャンルの中では装着感が快適な製品である部分はプラスポイント。ランニング中も問題ありませんでした。
ちなみにIPX6の防水性能を持っているそうです。今のところ利用していて問題ないので、アクティブに外で使う方にも耐水仕様は良さそう。
ドライバーは6mmのダイナミック型が片側に2基ずつ、左右合わせて4基が搭載されているそうです。先端がクリアパーツになっているのでドライバー部分が目で見えるのも面白いデザインです。外側の素材はメタリックで光沢があり、6,000円以下のチープな印象は感じさせない外観。
有線ではダイナミック型2つはたまに見かけますが、TWSではまだかなり珍しいんじゃないでしょうか。
充電ケースはmicro USB Bの充電端子で、ケースの充電状態はフロントのLEDライトから確認OK。充電ケースが開けやすいのも良いところで、(おそらくマグネットで)カチッと閉まるので、バッグの中でイヤホン本体を見失うこともほとんどなさそうです。
またケース底が平面なので、机に置きやすいのも好印象。実はTWSイヤホンだとケースが開けにくい、置きにくい、取り出しにくい製品がまだかなり多いので、こういった「充電ケースが簡単に使えそうかどうか」というのも評価できるポイントだったりします。
イヤホン本体にもLEDライトが付いているので、充電中・ペアリング状態などは目視で確認できます。タッチ式ではなくボタンを押すタイプなので、誤操作は少ないです。
もちろんタッチ式のインターフェースの場合は耳に押し込まずに楽に操作できるメリットなんかもありますが、幸いSoundPEATS Truengineの操作ボタンは軽すぎず、重すぎずなので、耳に装着した状態での操作も快適でした。
Bluetoothのペアリング方法
ペアリング方法も簡単で、充電ボックスから取り出すとペアリングモードになります。あとはスマートフォンやタブレット、PCのBluetooth設定からSoundPEATS Truengineを探して、接続を行うだけです。
左右の接続もサクッと行われているようで、スマホとのペアリングが容易な点も購入ポイントになってきそうです。TWSイヤホンとしては接続は簡単な部類かと思います。ちなみに片耳モードでも使えます。
左右イヤホンの接続の安定性
左右同時に利用するときはR側が起点になっているようで、例えば片方のイヤホンを遮ってやると、L側は途切れます(単純にどちらが起点になっているか確認しているだけです)。
実は同じテストを行ってもすぐに途切れてしまうTWSイヤホンはあるので、単純に手のひらを耳にかぶせても左右が途切れないのは良いです。実際に外に出て利用してみても、ポケットにスマホを入れた状態すぐ途切れることはなかったりするので、価格を考えると接続はなかなか安定しています。
人混みの中や帰宅ラッシュの電車の中でも使ってみましたが、数週間の利用で途切れたのは数回で、毎回よほど電波の錯綜している場所でなければ問題ないように感じます。音楽を聴きながらであればノイズも気になりません。
音声の遅延
YouTubeやNetflixで動画ストリーミングを試してみましたが、価格を考えると遅延は少ないです。これらの動画サービス利用時にはほとんど気になりませんでした。
音声の遅延は前回レビューしたQCY T1 Proよりも少ない気がします。視聴時に口の動きと音声を追ってみましたが、ほとんどの方が気にならないかと。もちろん利用環境にもよるとは思いますが、カフェでスマホの動画サービスをみたりする際にも、ほとんど問題はないように感じました。
音質・解像度
全体的に暗めな印象で、低音のブーミーな部分が目立ち、高域の伸びや解像度の面ではQCY T1 Proのほうが良いです。
ダイナミック型ドライバーを2基ずつ搭載で使う前から低域の量は多そうな気はしていたのですが、実際に低域に重心がある音傾向で、低音中心で聴きたい方には面白い製品です。
筆者も,6000円以下のTWSイヤホンを買いまくっている訳ではないので「価格に対しての音質」は評価し辛い部分もあるのですが、一度Amazonで低価格TWSを買って接続途切れまくる製品に出会った経験もあります。
そういった体験も踏まえると「6,000円以下で買えて、接続も価格を考えれば問題なく、充電ケースの使いやすさやイヤホン本体装着感を含めて、使い勝手が良い」など、価格と音質のバランスは良いところに設定されているような気がしますね。
パリッと解像度が高いイヤホンではないので、価格は安く接続もそこそこ安定しているとして、低域寄りの傾向が好きか嫌いかが購入するポイントになりそうです。
低音・低価格に魅力
SoundPEATS Truengineのレビューでした。TWSイヤホンも2018年は有名ブランドから無名のAmazonで買える製品までたくさん出ましたが、価格も数千円から数万円まで幅が広くなってきたので、予算によってはかなり迷う状態です。
そこそこ値段の高いTWSイヤホンであれば最近はNFMI技術を搭載したイヤホンの接続安定性が良いので、予算を気にしないならJabra Elite 65tやBeoplay E8あたりをみておくのがおすすめかもしれません。
ただし高価格帯でもイヤホン本体の形状が耳に合わなかったり、充電ケースの使い易さに難ありの製品もあり、価格に見合って使い易いかと考えるとまた別問題なところもあります。SoundPEATS Truengineの価格や全体的な使い勝手の良さを考えると、予算1万円以下で考えると面白い選択肢です。
有線イヤホンやケーブルありのBluetoothイヤホンと比較して音質面でも張り合えるTWSイヤホンのキラー製品というのはまだ出てきていないというのが個人的な意見で、左右独立型を選ぶときは「単純に使い易いか」のほうを重視してみているような気がします。そういった視点で考えば6,000円以下のSoundPEATS Truengineも候補に入れておくと良いと思います。…もちろん、低音が好きな方向けですが。