UMIDIGI(UMI NETWORK TECHNOLOGY)本社訪問 – 深圳市南山区

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中国滞在中にUMIDIGI(UMI NETWORK TECHNOLOGY)を訪問しました。本拠地を広東省・深セン市南山区に置いている同社ですが、現在の会社の状況や日本市場、OEM/ODMについてなど、いくつか話を聞いてきたのでまとめてきます。

UMIDIGI(UMI NETWORK TECHNOLOGY) 訪問

ざっくりとUMI NETWORK TECHNOLOGYについて

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UMI NETWORK TECHNOLOGYは中国の深圳市南山区に本社を置く、2012年に設立された中国の企業です。

スマートフォンで「UMIDIGI(旧:UMi)」という自社ブランドの製品を開発しているだけでなく、OEM/ODMで日本をはじめ、中国国外の企業・事業者向けにも商品企画・開発を行なっている会社です。

UMIDIGIブランドで発売しているスマートフォンは海外向けに販売しており、主な市場はロシア、ユーロ圏、そして日本も相当数を占めているとのこと。

日本市場について

UMI NETWORK TECHNOLOGYはグローバルに製品を販売していますが、日本市場にも力を入れ始めている最中だそうです。

南山区のビルに入っているオフィスをぐるっとみてきましたが、少数精鋭で販路を開拓している印象を受けました。

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(綺麗なオフィス。隣の部屋で海外からの訪問者と商談が行われていました)

UMIDIGIでは1年前はグローバル版をサポートしてなかったものの、2018年から多くの通信バンドに対応したAndroidスマートフォンをリリースしたことで、日本市場からの問い合わせやオーダーが増えているとか。特にLTEに注力しており、実際に最近リリースしている機種、特にフラグシップは多くのLTEバンドに対応したモデルが多いです。

同社としてもグローバルバンドへの対応が日本市場でも受け入れられている要因と考えているようで、これからも対応ネットワークの多さは継続する予定と語っていました。Amazonで出店しているストアだけの販売数でいえば30%程度を日本市場が占めているとも話しており、それだけ今後も日本市場にフォーカスしていく予定はありそうな雰囲気です。

対応バンドや日本国内の技適について

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(グローバルバンドに対応したスマートフォンをいくつかリリースしてからは、国外から問い合わせが多いそうな。日本もその1つ)

WCDMAもBand 1や8に対応している機種が多いですし、VoLTEも使ってみてになりますがスマートフォン自体は対応している機種が多いです。

(FOMAプラスエリアでBand 6/19がないという端末もありますが、エリア的にもLTEエリアの人口カバー率的にも、グローバルモデルのみで出すなら日本市場WCDMAはBand1やBand 8に対応していれば良いのかなというのが個人的な意見だったりします。もちろん住んでいる地域にもよると思いますが。)

Amazon内での公式ストアも評価は高いようで、ストアにEメールアドレスも書いてあるため、カスタマーサービスの面で力を入れ始めているのも高評価に繋がっている理由かもしれません。ちなみにAmazonストアは約3ヶ月前に開設され、Primeで在庫も日本に入れていたりします。海外の通販サイト(リセラー)から買うこともできますが、国内のマーケットプレイスで買える点やPrimeで日本に在庫があるのですぐに届く点などを考慮すれば、確かに日本のユーザーにもメリットはありそうです。

日本のAmazon内公式ストアには日本語対応のできる人材も配置しており、日本市場に対してそれなりのリソースを割いている様子がうかがえます。

ちなみにOEM/ODMとしても出す予定のUMIDIGI One Proについては「日本の技適を取得する予定」とのこと。まだ確定事項ではないのでなんともいえない状況ではありますが、日本の技適取得関連の内容もすでに把握しているような語り口でした。

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(日本の事業者・会社との関係でOEM/ODM詳細の話はNGでしたが、一部では技適を取得する予定のスマートフォンもあるようです。※あくまで予定)

そんなところなので、例としてOEM/ODMで日本市場に出すかもしれない製品についてはベースモデルも技適は取るかもしれない、というスタンスで、通常出てくるモデルに関しては必ず取得するということはなさそうです。ただ日本市場はじめ会社全体が成長を続けているとも聞いているので、今後の規模感によっては取得するモデルが多くなる可能性も否定できず、見守りたいところ。

日本市場のOEM/ODMなど

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(見晴らしの良いオフィス。位置的には南山区の少し東北側ですが、近くで複数ビルが建設中でした)

中華スマホをよく買っている、もしくはニュースをよくみている方は、海外・日本国内でリリースされる端末でも中国のOEM/ODM製品(かも)という物に気付くはずです。ネット上では「〇〇のブランドで出しているスマホは△△のOEM」なんて情報もたまに見かけます。

UMI NETWOEK TECHNOLOGYでも「日本の企業・事業者向けにOEM/ODMを受注することはある」とのこと。日本の会社・事業者との契約があるので実際にどの機種が同社によるOEM/ODMなのか、という部分までは言及しませんが、デザインやスペックがよく似ている機種は、日本の事業者がリブランドしてOEM/ODM品として発売している可能性が高いです。

中華スマホに関しては「中華スマホだからコスパが高い」「中華スマホだから微妙」など様な意見が両方向にあるので「UMIDIGIのOEM/ODM製品だけども、購入者のほとんどはOEM/ODMの受注先を知らないスマホ」なんかの評判を見ると、ある意味本当の評価・評判のようなものがわかる可能性もあって面白そうです(それでもニュースをチェックしている方やよく調べている方にはなんとなく分かってしまうものなので、そのコメント欄を読んだりするのもまた楽しみの一つだったりはします)。

ソフトウェアについて

(本社に置いてある耐久試験機)

中華スマホ、特にグローバル市場で大きな華米維歐以外、もしくはそれに続く中華ビックネームの機種以外はソフトウェアのアップデート頻度が少ない/継続されない、という意見も少し気になっていたので、現状どのようになっているのかも聞いてきました。

まずは購入時点で多くのスマートフォンが最新のメジャーOSバージョンを使える、というのがアピールポイントのようです(例えば未発表端末のUMIDIGI S3 Proは、Android Pieをプリインストールして販売される予定)。

UMIDIGIに限らず中華スマホはガンガン新機種が登場するので、リリース時点でなるべく新しいOSを投入している代わりに、アップデートは少ない、というのが個人的な感覚です。超大手以外(ここでいうUMIDIGIと似たようなブランド)は同じような状況に思います。もちろん世界的に大手のブランドでOSバージョンやセキュリティパッチのアップデートが音沙汰ない機種もたまにあった気はするので、購入時点でなるべく最新のOSバージョンを搭載しているのであれば許容範囲なのかなと感じるところもあります。

中華無名ブランド(と、あえてここでは表現しますが)のスマートフォンは、個人的にも気になるところがいくつかありました。特にハードウェアスペックはそこそこ良いもののソフトウェアが甘かったりといった部分です。UMIDIGIも不具合やソフトウェア設計の甘さは理解しており、現在はその頻度を少なくする点にもフォーカスして開発を行なっていると語っています。

UMIDIGIはハードウェア面の工場は自社で持っており、ソフトウェア最適化に関しては外部と協業して不具合のチェックと改善を行なっているそうです。

では中国・深センのエコシステムの中でどこまでの裁量を持ってUMIDIGIが自社でソフトウェア開発をしているかというと見えにくい部分もあるのですが、手元にあるUMIDIGI A1 Proなんかはファームウェアの更新がきており(最新で2018年10月更新)、初期と比較すると動作はそこそこ機敏になっていたりします。他の端末に関してもバグフィックスがきているモデルを見かけますし、少なくともソフトウェア面に関しても社内外で調整して改善していく環境はあるはずです。

(落下試験機。本社にはデモとして設置してありますが、実際の試験用は工場にあるそうな)

もう1つ、現在力をいれているのがカメラ性能。ハードウェア・ソフトウェア両面で力をいれて画質の改善を図る予定で、特にカメラ性能の部分には100,000ドル以上を投資して社内・社外で調整しながら機能を強化しているそう。会社によってはソフトもハードもそのまま製品化してしまうノンブランドがまだまだあるらしいので、その辺りで他社とは差別化していきたい考えのようです。

筆者も巨大ブランド以外の中華スマホに関しては「カメラとソフトウェアの最適化」が気になると毎回レビューで書くことが多いような気がします。少なくとも筆者が思う課題・ユーザーの声みたいなものはUMIDIGIへ届いていて、それに向けての改善姿勢は印象的でした。

もちろん、今後発売する新製品を使ってみるまではなんとも言えません。つまるところ最終的にはユーザー評価が全てかと個人的には思いますし、今後でてくる製品の評価次第かと思います。

UMIDIGI S3 Pro(仮)、今後のリリース予定機種

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(左がF3、右がS3 Pro)

未発表端末(今後発売するかも)のスマートフォンのモックも見せてもらいました。端末名は「UMIDIGI S3 Pro(写真右)」で、Sシリーズの新モデルという位置付けのようです。インタビューでもあったようにカメラを強化したモデルで、センサーにはSONY IMX586の搭載を予定。

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(UMIDIGI S3 Pro 予定スペック)

  • Android Pieベース
  • 6.4インチ OLED
  • SONY IMX586 48MPカメラ
  • 5,000mAhバッテリー
  • MediaTek Helio
  • 8GB RAM、256GB ROM

今年発表された4,800万画素の新センサーですが、もし実際に同センサーがUMIDIGI S3 Proで搭載されるなら「カメラ性能に力をいれている」というのも本気度が見えてきます。

またバッテリーは5,000mAh前後で大容量、SoCにはMediaTek Helioを採用予定で、メインメモリが8GB RAM、ストレージが256GB ROMと容量も多めになる予定です。UMIDIGIとしては「カメラとバッテリーが特長の機種」になるそうな。

Umidigi S3 Pro with 48MP camera and Umidigi F3 waterdrop notch smartphones

(Notebook italia向けに動画も提供されています。今回見たものと同じモックかと思います)

個人的に気になったのが6.4インチの水滴型ノッチを採用したディスプレイ。資料によると「OLED」を使う予定があるようで、実現すれば面白そうな仕様のスマートフォンになりそうです。少なくともモックではすでに水滴型ノッチになっていました。

開発中の機種なので、仕様が変更される可能性もあります。S3 Proは2019年Q1にリリース予定です。

今後のUMIDIGIの予定など

UMIDIGIは現状オンラインのマーケットプレイスに出店、もしくはリセラーに卸して製品を販売中ですが、今後は自社直販のオンラインストアも構築予定だそうです。開始時期は前後する可能性がありますが、今のところ2018年12月あたりにローンチ予定。

大規模マーケットプレイスやリセラーは販売網としては大きな存在に思いますが、自社ブランドのオンラインストアを開設することでサードパーティを挟む手数料を削れる可能性もあり、ユーザーとしても同じ製品を安く買えるのであれば良いことです。気になる方は公式ページをチェック。

公式:UMIDIGI Official Website

UMIDIGI訪問後

最近はグローバルバンドやデュアル待受に対応したスマートフォンをリリースしているUMIDIGIですが、そういった戦略は日本市場でも手応えを感じているようです。実際にオフィスを訪れてみると予想していた以上に日本市場を気にかけていたので、今のところ日本ユーザーからの意見も多く反映していそうな状況でした。

もちろん最終的な評価はユーザーが使ってみてどうか、という部分に尽きると思いますが、今後のモデルもグローバルバンドの対応を継続する予定だそうですし、カメラとソフトウェアの部分にも力を入れていくとのことだったので、将来リリースされる製品にそれらが反映されているか見ておくと面白いかもしれません。