前回はVernee Thor Eの外観・デザインを確認しましたが、今回の記事ではUI、搭載アプリ、スペック、ベンチマークスコアなどを実機でレビューしてみようと思います。プロセッサーがMediaTek MTK6753(オクタコアCPU)、3GB RAM、16GB ROMということなのでミッドレンジモデルとも言えますが、内部性能はこんな感じになっています。(端末提供:tomtop.com)
目次
Vernee Thor Eのスペック・基本仕様をレビュー
まずはスペック・基本性能(仕様)を確認。基本的には公式サイトの情報を参照していますが、ネットワークの対応周波数帯の部分(MHz)だけは販売サイトを参照しています。
MODEL | Vernee Thor E |
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ブランド | Vernee |
OS | Android 7.0 Nougat VOS |
ディスプレイ | 5インチ HD (1280×720) |
プロセッサー | MediaTek MT6753 1.3GHzオクタコアCPU |
RAM | 3GB |
ROM | 16GB |
外部メモリ | microSDカード対応 |
カメラ | リア: 8.0MP ( SW 13.0MP ) フロント: 2.0MP ( SW 5.0MP ) |
バッテリー | 5020mAh(取り外し不可) 9V2A急速充電対応 |
Wi-Fi | 802.11a/b/g/n (2.4GHz / 5GHzデュアルバンド) |
Bluetooth | 4.0 |
SIMサイズ | Nano SIM + Nano SIM (片方のスロットはmicroSDカードスロットと排他利用) |
対応バンド | 2G: GSM 850/900/1800/1900MHz 3G: WCDMA 900/2100MHz 4G: WCDMA 800/1800/2100/2600MHz ※EU Bands GSM:3/5/8 UMTS/WCDMA:1/8 FDD LTE:1/3/7/20 |
本体サイズ | 14.40 x 7.01 x 0.82 cm 149g |
本体カラー | ブラック / グレー |
言語 | 日本語対応 |
その他 | micro USB OTG 3.5mmオーディオジャック |
※センサー部分は不明な点があるので確認予定
Android 7.0 Nougat、UI、プリインストールのアプリ
本体設定をチェックしてみると、 OSは「Android 7.0(Nougat)」、カスタムUIでVernee独自の「VOS」が採用されているのが確認できます。セキュリティパッチレベルは2017年4月5日。
UIはストックAndroidっぽい
とはいったものの、ホーム画面、アプリを見てもGoogle系ばかりで、他の余計なプリインアプリがAppドロワーにないのは好印象。Google Playストアも普通に入ってます。(※設定からアプリ一覧を確認すると、ホーム画面やアプリドロワーにはないTouchPal Keyboardというキーボードアプリが入っていました。詳細後述)
かなりスッキリしていますね。Vernee公式サイトでStock Android 7.0と表記しているのもなんとなくわかる気がします。
マルチウィンドウもサポート
Nougatということで、マルチウィンドウ機能もサポートされていることを確認。5インチディスプレイと小さいのでほとんど使うことはありませんが、この辺りも比較的新しいバージョンのOSを採用している恩恵かもしれません。
通知センター
ディスプレイ上部から下へスライドして開く通知センター。スライド時のアニメーションもNougat仕様になっており、Wi-Fi、Bluetooth、モバイルデータ通信、フラッシュライト、テザリング(アクセスポイント)など必要そうなクイック設定は一通り揃っています。
またVernee Thor Eが売りにしている省電力設定「E-ink Mode」は、本体サイドの物理ボタンだけでなく、クイック設定の項目からも切り替えができるようにカスタマイズされています。
※E-ink Modeは別記事でレビュー予定。
プロセッサー(MediaTek MTK6753)
アプリ「CPU-Z」でプロセッサーを確認してみました。スペック通りSoCはMediaTek MT6753で28nmプロセス、Cortex A53×8コアCPU、最大クロック速度は1.3GHzとなっています。GPUはMali-T720(VerneeサイトではMP3)。
ストレージの空き容量・メインメモリ
初期状態でのストレージ容量を設定で確認してみると「10.13GB – (アプリやその他コンテンツ)」となっており、実際には10GB程度に行かないくらいの空き容量になっています。元々のROMが16GBということを考えると、普通はこれくらいなのかなという印象です。
メインメモリ(RAM)は設定表示上2.9GBとなっており、こちらもスペック表記の3GBで間違いないようです。
Thor Eの本体設定で気になる部分を確認
次にVernee Thor Eの本体設定について特徴や気になる点をチェックしてみようと思います。
言語:日本語対応
設定から日本語へ変更可能です。
技適
当然(?)ながら、日本国内向けの技適は取得していないです。中華スマホというと、日本に進出していないメーカーの端末はほぼ技適なしですね。
VOS 1.0.0
VerneeのVOS1.0.0を採用ということで、Thor Eのみかは不明ですが設定項目も気になる部分がいくつかあったのでメモしておきます。
Smart Assistance
本体設定→Smart Assistanceの項目を確認するといくつか気になる設定項目があります(日本語設定でも日本語にならない部分がちらほらあり)。
- Buttons – 電源ボタンのカスタマイズ、ナビケーションバーのカスタマイズ(左右変更、オンスクリーンのソフトウェアキーへ変更など)
- Motion Gestures – ジェスチャー操作でスクリーンショットを撮ったり、特定の機能を起動したり、通話をミュートしたり。
- ステータスバー – 上部ステータスバーのカスタマイズ
DuraSpeed
(Google Playストアで確認してみると、すでに本体にインストールされていることが確認可能)
「 DuraSpeed」という項目(プリインアプリ)があるのですが、どうやらMediaTek.Incのアプリケーションのようです。バックグラウンドアプリを制御してフォアグラウンドアプリをブーストするという機能があるので、必要であればこちらも使えます。
TouchPal 2017 (キーボードアプリ)
ホーム画面には表示されていなかったのですが、やたら通知が出るので確認してみると「TouchPal」というキーボードアプリがプリイン・初期設定になっています。
中国系ディベロッパーの多言語キーボードアプリだそうで、ググってみるとHTC 10にもTouchPalが採用されていたとかいないとか。個人的にはGoogle提供の言語アプリをいつも使っているので、Google日本語入力を導入後に「設定→アプリ」から削除してしまいました。
※「設定→アプリ→システムを表示」の順に進むとアプリを削除してもTouchPal 2017、その他言語パックのファイルがいくつか入っていたので、こちらも無効に。現在は日本語設定+Google日本語キーボードで利用していますが、動作に問題は無いようです。
Vernee Thor Eのベンチマークスコアをレビュー
スペックがスペックなので、AnTuTu BenchmarkとGeekbench 4のみテスト。
AnTuTu Benchmark (Ver6.2.7)
Thor EのAnTuTu Benchmark測定結果。とりあえず5回連続で、ぶっ続けでテストしてみました。
- 1回目:37829 (3D/4596, UX/15358, CPU/13052, RAM/4823)
- 2回目:38310 (3D/4733, UX/15690, CPU/13077, RAM/4810)
- 3回目:38120 (3D/4761, UX/15492, CPU/13012, RAM/4855)
- 4回目:38299 (3D/4777, UX/15687, CPU/13030, RAM/4805)
- 5回目:38249 (3D/4777, UX/15497, CPU/13088, RAM/4887)
平均して総合スコアが約3万8000点前後。MediaTek MT6753、3GB RAMならこの辺りのスコアになっている中華スマホは見かけるので、基本仕様を考えると平均値のような気がします。
AnTuTu計測5連続でも、背面・ディスプレイで体感発熱は、触ってみて少し暖かく感じる程度でした。CPU-ZのThermal項目が表示されなかったので今度別の方法で発熱に関してはチェックしてみたいところですが、Thor Eの本体パーツは公式サイトではメタルと言いながらメタルっぽさが少しないので、熱伝導の関係でそこまで発熱が感じられないのかもしれません(もしくは発熱が少ないだけかもしれないです)。
Geekbench 4
Geekbench 4は3回連続で測定してみました。※AnTuTu Benchmarkのテスト後からは、1時間ほど経ってから計測しています。
- 1回目:シングル620, マルチ2638, GPU1837
- 2回目:シングル620, マルチ2593, GPU1937
- 3回目:シングル617, マルチ2558, GPU1873
Thor EはストックAndroidっぽく、他の中華スマホとあまり変わらない
VOSと言えどもそんなにカスタマイズは入っていない感じで、ストックAndroidっぽいUIで使えるのは◎。ただキーボードが初期設定でTouchPalであったり、ナビゲーションバーの配置であったり、設定項目から自分の使い易いように変更しておくと良いかもしれません。
ベンチマークに関してはMediaTek MT6753、3GB RAMを搭載した仕様そのままのスコアがでている感じで、AnTuTuベンチマーク、Geekbench 4など、同じようなスペックの中華スマホと同じようなスコアに。価格は販売セール時109.99ドル、通常価格でも150ドル以下なので、それを考えると十分な点数になっているのかと。
ただThor Eの最大の特徴は5020mAhのバッテリーであって、まだ電池持ちや充電関連のテストはできていないので、どれだけ電池が持ってくれるかにも期待したいところ。
…AnTuTuベンチマークのセンサー類でジャイロセンサー部分で気になる点がいくつかあったので、次回のレビューでは。いくつかゲームアプリ等を試してみて、どれだけゲームができるか、センサーが対応しているのかなどをチェックしてみたいと思います。