中国滞在中に、いくつか発売されている新モデルのスマートフォンを触ってきたので、感想的なものをまとめておきます。最近はOPPO Find X、vivo NEXなどスライド式が登場しており、後追いでXiaomi Mi MIX 3、Honor Magic 2が続いているのが印象的でした。
またHUAWEIがMate 20 Xをはじめいくつかリリースしている大画面モデルが面白そうなので、いくつかのファブレットも試しています。
目次
スライド式の新モデル2つ
まずは最近リリースされたスライド式のスマートフォン2機種「Xiaomi Mi MIX 3」と「Honor Magic 2」から。ギミック感の強いスライド式、カメラのポップアップ式はOPPO Find X、vivo NEX含め一通り揃ったので、新機種2つも触ってきました。
Xiaomi Mi MIX 3
MIXシリーズの新モデルとしてリリースされた「Xiaomi Mi MIX 3」ですが、今回はスライド式です。本体全体がスライドしてフロントカメラ部分が出てくるような設計になっています。
スライド式となったせいか、画面占有率以上にディスプレイの存在感があります。下ベゼルも狭まっており、Mi MIX 2Sまでの同シリーズ・スマートフォンと比較すると、大きく刷新されたデザインが印象的でした。
スライド式を採用したことでデザインが大きく変わっているMi MIX 3ですが、ディスプレイは6.39インチのサムスン製AMOLEDパネルに変更されており、MIXシリーズでLCDパネル搭載が気になっていた方には朗報。
スライド式になったせいか若干厚くなり、スペック上も8.46mmと少しぽってりしました。Mi MIXシリーズはモノリス的な角ばったデザインから少しずつ丸みを帯びた外観になってきていますが、Xiaomi Mi MIX 3が一番丸いように思います。
内部スペックはSnapdragon 845を搭載で、ここはXiaomi Mi MIX 2Sと同様に。買い替えを検討している方が気になる部分といえばここでしょうか。10GB RAMモデルもありますがたしか故宫特别版だったはずなので、意外と日本から入手するのは難しいかもしれません。
全体スライド式のスマートフォンはXiaomi Mi MIX 3だけでなくOPPO Find X、Honor Magic 2などハイエンドモデルが出揃ってきていますが、Mi MIX 3は価格面でも強いです。最小構成の6GB RAM + 128GB ROMが3,299元(日本円で5万3,500円)なので、高い性能と合わせてこの辺りも購入要素になりそうです。
Honor Magic 2
HUAWEIからは「Honor Magic 2」というスライド式のスマートフォンが登場しているので、こちらも触ってきました。スライド感はXiaomi Mi MIX 3と非常に似ており、リリース時期からしてもこの2機種は面白い比較になりそうな気がします。
ディスプレイも6.39インチAMOLEDでインチ上の表記はMi MIX 3と同じであり、持った感触も似ていたのでライバル機種になりそうな予感。
6GB RAM + 128GB ROMモデルが3799元(日本円で約6万2300円)と若干Mi MIX 3よりも高いですが、SoCにはインハウスのKirin 980(7nmプロセス)を搭載しており、単純な比較はし辛かったりもします。
HUAWEIの大画面モデルが気になる
他にもいくつか新モデルスマートフォンを触ってきたのですが、個人的に印象に残ったのはHUAWEIの大画面モデルです。とにかく、画面がでかい。ということで、いくつか紹介しておきます。
HUAWEI Mate 20 X
HUAWEI Mate 20シリーズのハイエンドなスペックに大画面を融合させた「HUAWEI Mate 20 X」。7.2インチのOLEDディスプレイは巨大で、動画視聴にはかなり迫力のありそうなサイズ感です。
ベゼルレスのデザインなので本体サイズは最小限に抑えられてはいるものの、それでもグローバルサイトのスペックで174.6mm×85.4mm×8.15mmと片手で持つのは辛そうなサイズ感です。逆を言えば、ベゼルレスな端末でありながら片手で扱うのは難しそうと感じたので、それだけディスプレイサイズが大きいということかと思います。
ちょうどAppleの大画面モデルiPhone XS Maxを持っていたので比較してみましたが、HUAWEI Mate 20 XはXS Maxが子供に見えてしまうレベルのサイズ感。ほぼタブレットといっても良いくらいでした。
以前は「ファブレット」というとスマホにしては画面の大きな端末みたいなところもありましたが、7.2インチは、もはやタブレットサイズです(それでもベゼルが狭いので、スマホとしての認識できるのがまた面白いところです)。
内部仕様ですが、プロセッサーには7nmプロセスのKirin 980、背面にLeicaトリプルカメラ(40MP+20MP+8MP)、5,000mAhバッテリー、3.5mmヘッドフォンジャックを残していたりと、スペック上もハイエンド機としては死角のなさそうな仕様に。
日本国内でどのMate 20シリーズが発売されるかは不明ですが、ズルトラやMi Maxはじめとにかく1台でこなす大画面モデルを求めていた方にはホットな機種のように思います。他社がハイエンド×タブレット並みの大画面のMate 20 Xのような機種で後追いするかにも注目しておきたいところです。
価格は6GB+128GBの最小構成で4999元(日本円で約8万1800円)から。
ミッドレンジのHonor 8X Max、HUAWEI Enjoy Max
HUAWEI Mate 20 Xに関しては完全に高性能志向のスマートフォンですが、HUAWEIは廉価な大画面モデルも2つリリースしています。それが「Honor 8X Max」と「HUAWEI Enjoy Max」です。
Honor 8X Maxは7.12インチの大型ディスプレイ、5,000mAhのバッテリーを搭載したファブレット。プロセッサーはSnapdragon 660で、価格は4GB+64GBで1699元と廉価なモデルです。
HUAWEI Enjoy Maxは7.12インチの大型ディスプレイ、Snapdragon 660(下位モデルはSDM636)、5000mAhバッテリーを搭載したファブレット端末。こちらも価格は安く、下位モデルの4GB+64GBモデルで1499元から。
HUAWEI本体とHonorブランドから出ている兄弟機といった2機種ですが、どちらもMate 20 X並みにインパクトのある大画面ながら、ミッドレンジの価格帯で手に入るお手頃感が面白いところです。
その他中華スマホの新機種・気になった機種
他にも様々な機種を少しずつみてきたので、簡単に紹介します。
Smartisan Nut Pro 2s
Smartisanの新機種。UIが見ての通りカスタマイズのオンパレードで、メインストリームを追わない感じの独自路線が面白いブランドかと思います。それだけにコアなファンは多そうな印象は以前と変わりません。
OPPO R17
日本でも正式に市場参入を果たしたOPPOですが、日本ではまだ発売されていないR17です。やはり水滴型ノッチの美しさみたいなものはあって、背面のグラデーションカラーも何種類かみてきましたが、トレンドをまっすぐ進んでいる感がありました。
SoCがSDM670なので、価格と内部スペックのバランスを正当化できるかというのは考えどころかもしれません。
華強北のOPPOストアも少しみてきましたが、綺麗でした。ただMate 20シリーズをリリースした直後からかHUAWEIストアのほうが混んでいたような気がします。
HUAWEI Mate 20/20 Pro
HUAWEI Mate 20と20 Proも少しみてきました。
無印のMate 20は水滴型ノッチです。個人的にはこちらのデザインのほうがスッキリしていて良いように思いますね。
HUAWEI Mate 20 Proは少し大きめのノッチに、サイドがカーブしたディスプレイです(写真の実機はノッチ隠しモード時)。画面サイドがカーブした端末はGalaxyはじめ意外と持ち辛いというのが個人的な印象で20 Proも同様だったので、単純に持ちやすいのは無印Mate 20でしょうか。
カメラなど仕様も異なるだけに、少し触った程度では分からない部分がほとんどです。
Xiaomi Mi Notebook 15.6″(MX110, 10キー)
Xiaomiから発売されているLaptop PC。15.6インチ版ははじめMi Notebook Pro 15.6が発売され、その後ハイスペックなMi Gaming Laptop 15.6が登場し、最後に10キー搭載版のMi Notebook 15.6″(MX110搭載版)が発売されました。※それぞれ内部仕様がアップグレードされた次世代モデルが出ているのですが、シリーズとしては10キーありの15.6インチモデルが一番後発です。
15.6インチのXiaomi PCの中では廉価版といった位置付けで価格面でメリットがありますが、意外とディスプレイが綺麗でした。ただ買って面白そうなのはMi Notebook ProかMi Gaming Laptopのようにも思います。
(Xiaomi)Mi エコシステム
Xiaomiのエコシステムに組み込まれている製品がさらに多くなっているような気がします。他のブランドでもイヤホン、スピーカー、スマートウォッチ(バンド)といった分野はカバーしていますが、XiaomiのエコシステムではIoT製品全般、スマートTV、電動歯ブラシからシェイバー、電気ケトル、自動掃除機、LEDライト、スマートロック、ファッション、ドローンまで、宅用家電から小物に至るまで様々なものが販売されており、その多くの製品がMiJiaアプリなどXiaomiのエコシステムに組み込まれています。
(米兔/MITUのミニドローン。子供向けセクションに配置されていますが、399元で買えるお手軽ミニドローンとしてDJI Telloとの比較動画も多かったりします)
他のブランドのショップはスマートフォン中心ですが、Xiaomiのショップに行くとちょっとした家電量販店にきたような感覚に陥ります。もちろん実店舗に置いていない製品も含めると膨大な量の製品カテゴリーになるはずなので、他のメーカーと比較するとまたちょっと違う存在なのかなということを改めて感じました。
1週間の中国滞在で、ざっと新機種を触ってみて
まず面白いと感じたのは、やはりスライド式の新モデルであるXiaomi Mi MIX 3とHonor Magic 2の2機種。
ただノッチの代替案や新デザインというのもすぐ出てきそうな気はするので、はたしてスライド式のスマートフォンを選ぶべきかというのは迷うところかもしれません。特にMi MIX 3はMi MIX 2Sと同じSDM845を搭載していますし。スライドさせた時のカチッ(シャコッとも表現できそう)とした音はガラケー時代のスライド式ケータイにタイムスリップしたような感覚も覚えるので、楽しいことには間違いないのですが。
HUAWEIの大画面モデルも面白そうです。ハイエンドならMate 20 Xがありますし、ミッドレンジでも8X MaxやEnjoy Maxが用意されている点でお財布にも易しいラインナップでなかなかの好印象でした。日本国内で正式販売されるかなどはまた別問題ですが「とにかくでかい画面のスマホを」と考えていた方にとっては、現状の救世主のような気がしてきます。
今回は1週間ほどの短い滞在で、去年友人に預けた荷物を回収がてら香港、深セン、広州で毎日休みなく人に会っていたため予想していたよりハードなスケジュールとなってしまい、新機種もちょびちょびと試すのみでした。…いっそのこと中国に引っ越してしまえば楽なものですが、ビザの関係もあるので難しいものです。